まずこの演奏を聞いてみよう。ハンクジョーンズの宮崎でのライブで枯葉である。枯葉はジャズを学ぶ人は必ずはじめの段階でやる曲だ。
録画は1984年とある。聴衆がともかく若い。20歳前後だろうか。
当時20歳前後とすると今は50前後である。私と同年輩である。少しサバを読んでいる。
それはさておき、そんなに難しいことはやってないように聞こえるが、やはりイカす演奏は真似できない。しかしなんとか近づくために分析してみたいと思う。
1.イントロ
2.コーラス部のオカズ、コード進行のアレンジ
3.アドリブフレーズ
4.ベースソロのバッキング
5.エンディング
テクニック的に超絶技巧ではないものの、アマチュアとは違うワザを次々に繰り出している。
長くなるので今日は1,2についてだけ述べよう。
1.まずイントロである。
Gペダルである。
コードはGm, C のシンプルな繰り返しに聞こえる。
とはいえ3度・5度がオミットされていたりするので調性はあいまいである。
sus4と言ったほうがよいかもしれない。
曲がGマイナーの曲なので、弾き始めからトニックはGmと決めてかかっているからそう聞こえるのかもしれない。
ともあれGm-Cの繰り返しであると仮定して話を進めたい。
GmはGマイナースケールの一度、CはGメジャースケールのIVmajなのだ。
この曲はマイナーの雰囲気で始まるがBbmaj7, Ebmaj7と、すぐにメジャーキーの雰囲気への展開があるところが面白いのだが、イントロでもそれを反映したかったのか、Gm-Cと、モーダルインターチェンジが埋め込まれている。
2.次にコーラス部である。
モーダルなアレンジはしていない。
但し、アプローチコードを入れるなどのくすぐり(オシャレ)をしている。
F7の前にGb7などである。
またアプローチコードの連続をタップリ入れている。なんと呼ぶのか知らないが、2度・5度のツー・ファイブを半音ずつ下げていくアプローチを、である。
譜面どおりだとCm7-F7-Bbmaj7-Ebmaj7.となるところにである。
ベースノートはB-E-Bb-Eb-A-G-Ab-Gと弾いている。どれがマイナーセブンスでどれがドミナントセブンスかは判然としないが、不協和音程がなければどちらでも良い。
オシャレである。こんなに何回もツー・ファイブを繰り返して解決に持っていくのには、アマチュアはもちろん、プロでもあらかじめ用意しておかなければ無理だろうが、どんな曲でも、ドミナントセブンスの前に半音上のアプローチドミナントコードを入れられるように、練習をしておきたいものだ。
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