はじめに
ジャズの現場では、リードシートがとても大切です。
メロディ・コード・リピート・Coda・エンディング……
それをスッキリ美しく仕上げるには、Band-in-a-Box(BIAB)だけでは限界があります。
そこで今回は、BIABのファイルをMusicXMLで書き出し → MuseScoreで整形する流れをまとめました。
セッションや練習用に「プロ仕様のリードシート」を作るのに役立ちます。
1. BIABからMusicXMLを書き出す
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BIABで曲を開く
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File → Save Special → Export MusicXML
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ファイル名をつけて保存
👉 MIDIではなく MusicXML を使うのがポイント。
コードや小節構造を正しく引き継げます。
2. MuseScoreでインポート
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MuseScoreを起動 → XMLを読み込む
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自動生成される複数パートを整理
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表示 → スコアの設定(Iキー)
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メロディ以外(ベース・ドラムなど)を削除
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ト音譜表だけを残す
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3. レイアウトを整える
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フォーマット → 段ごとの小節
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「段ごとに4小節でレイアウトをロック」
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小節数を 4の倍数 に調整
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不要な小節削除/エンディング追加
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👉 最後まで「1行4小節」で美しく揃います。
4. 繰り返し・Coda・エンディング
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パレット → リピートとジャンプ から
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繰り返し小節線(||: :||)
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エンディング括弧(1., 2.)
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To Coda / Coda記号(𝄌)
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小節のプロパティ → Play count で繰り返し回数を指定
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例:コーラス終端 3回、エンディング終端 3回
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👉 再生しても実際の演奏通りに動作します。
5. コードとメロディ入力
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コード入力 → Ctrl+K
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例:
C7(b9#11)
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メロディ入力 → Nキーで音符モード
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A〜Gで音名入力、Ctrl+↑/↓でオクターブ調整
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括弧付きコード(例:(Am7 D7))も記載可能
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必要に応じて「再生を無効」に設定
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6. Swingとリズム
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パレット → テンポ → Swing を冒頭に配置
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「8分音符Swing」を選択すると、再生がジャズノリに
7. 見た目をジャズらしく
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フォーマット → スタイル → フォント → MuseJazz
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フォーマット → スタイル → コード記号 → Jazz
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サフィックス(m7, b9, #11 など)が整形される
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フォーマット → スタイル → スコア → 最初の段のインデントを有効化 → チェックを外す
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1行目のインデントも削除
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8. 仕上げと書き出し
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最後の小節に Final barline(終止線)
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To Coda / Coda でエンディング明示
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完成したら
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PDF(配布用)
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MP3/MIDI(練習用)
にエクスポート
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まとめ
この流れをルーチン化すれば:
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BIABの資産を活かしつつ
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Swing対応のリードシートを即成型
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見た目も演奏も「ジャズらしい」譜面
が手に入ります。